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鑑別器具の簡単な説明!

前田店長が、宝石について語るコラムです。

鑑別器具について!

宝石の鑑別は、何種類かの鑑別器具を組み合わせて、結論を出すことが多いのですが、今回は、その鑑別器具について、簡単な説明をします。

1. ルーペ 

 小さい虫眼鏡のようなものです。10倍に拡大して宝石をみます。(20倍のものもあります。)ダイヤのクラリティーの等級付けも、10倍が基本です。
石の表面、ファセットエッジ、内部に焦点を合わせて、そのようすで、鑑別の手がかりを見つけます。その他に、色石の品質の良し悪し、ダイヤのカットの良し悪しの判断にも使われます。

2. 二色鏡

 この道具は複屈折の石と単屈折の石との確認検査に効果的です。
小さな筒状のもので、一端に窓があり、もう一端にレンズが付いています。筒の中には、複屈折の強いカルサイトが固定されていて、窓が隣接した2つの像となって見えるようになっています。
複屈折の石は、二色強鏡の前面に石ウを保持しレンズを通していろん角度から見ると、隣接した2つの像に通常は色の濃淡が出ます。または、違った色に見えるものもあります。
単屈折の石は、2つの隣接した窓の色は変わりません。

3. チェルシーカラーフィルター

 濃赤色と黄緑色の光だけを吸収するフィルターで、このフィルターを通して石を見ると、それぞれの石で、特徴的な見え方をします。
特に、エメラルドと模造石の区別には有効です。その他の石の区別にも有効に使えるものがいくつかありますが、ある程度、熟練が必要なので、ここで止めときます。

4. 顕微鏡

 これは、皆さんもよくご存知の物ですが、一般的な顕微鏡と少し違ってます。
普通使われるものは、10倍から75倍ぐらいのもので、自由に好きなあらゆる倍率に調整できます。
普通の顕微鏡のように、10倍、20倍、50倍と決まった倍率だけで見れるものとは違います。
これによって、石の中、外の見たい部分に焦点を合わせて、より拡大して詳しく検査することが出来ます。また、石を見る部分に、石をはさむ器具が付いていたり、石に当てる光を横からだけとか、上からだけとか、見る部分によっても変えられるようになっています。
それに、ダイヤモンドのカラーグレードを見る特別なライトも装着されています。
値段も宝石専用のもので、かなり高価で50万円〜です。ちなみに、私は中古を買いました。

5. 屈折計

 この機器は、石を鑑別するのにかなり有効的です。
宝石(鉱物)は、それぞれにある一定の屈折率を持っています。単屈折の石はひとつの屈折率ですが、複屈折石石は2つの屈折率が存在します。
複屈折の石の場合、この二つの屈折率の差が複屈折率です。これらの数値が鑑別に非常に有効になってきます。これも、使いこなすのに少し訓練がいります。

6. 偏光器

 この機器は、単屈折、複屈折の区別をするものです。ガラス、プラスチック、潜晶質の石なども見分けがつきますが、この検査だけでは断定はできません。本物とイミテーションを区別するには有効です。 

7. 分光器

 これは、検査する石の吸収スペクトル(吸収する色)によって、石を鑑別するものです。高価な器具で私も簡単なものしか持ってないです。鑑別機関では、必需品です。

8. 紫外線

 これは、検査する石に短波、長波の紫外線を当ててその光の振る舞いで、ある程度、どんな石かを絞り込む検査です。

9. 比重液

 これは、それぞれの石がもっている一定の比重があって、比重を計ることによって、検査する石のある程度のめぼしをつける検査です。
比重検査には、ブロロフォルム(2.9)、沃化メチレン(3.33)、クレリッチ氏液(4.15)の原液を使うのと、ブロロフォルム、沃化メチレンは、トルエンで希釈して、重液を作って、検査をします。石が液の中で懸垂する状態で、石が重液とほぼ同じ比重といえます。

10. ダイヤモンドテスター

 これは、無色透明の石が、ダイヤであるかないかを検査する道具です。
ダイヤや熱の伝導率が非常に早いので、この特性を利用してこの器具は作られています。
ダイヤか、そうでないかは、簡単にわかりますが、ダイヤでない石が何であるかは、他の検査が必要になります。

 上記のようにな、検査をいくつか組み合わせて、検査する石が何であるかを断定するわけですが、ある程度、宝石学を勉強しないとチョットむつかしいですね!また、宝石業界も、新しい技術で、合成宝石が次々に作られています。鑑別(看破)の技術も日々追っかけっこをしています。

 宝石鑑別の技術、ノウハウは、それだけでは、なかなかビジネスになりませんが、宝石業界に携わる人たちには、ぜひ勉強してほしいですネ?

 宝石に興味がある人も、宝石のことが少しづつわかってくると、どんどん珍しい石にも興味もわいて来ると思うんですけど!

 私も、普段の仕事で、お客様に「これ何の石?」と聞かれることがあるので、ルーペ二色鏡チェルシーカラーフィルターダイヤモンドテスターは、いつも持ち歩いております。

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