1.　ランドブリリアントカットのダイヤモンドは、直径の３乗×０．００３６５で近似値の重さ（カラット、ｃｔ）が、非常に簡単に計算できます。例えば、６．５×６．５×６．５×０．００３６５＝１．００２３というように、アバウトな重さがわかります。

2.　ラウンドブリリアントカットのダイヤモンドは、横から見たとき、一番下にとんがった部分があります。
　この場所をキューレットと呼んで、肉眼で見るととんがっていますが、拡大して見ると、面がとってあります。この面を含めて、ラウンドブリリアントカットの石は、５８面になっています。
しかし、キューレットの面は、光学的な美しさを出すためではなく、単に欠けを防ぐためのもので、キューレットがないと輝きが失われるものでもなく、キューレットがなくても、ダイヤモンドの評価には影響しません。逆にキューレットの面が大きすぎると、昔の宝石商が「井戸が見える」と言ったように、真上から見ると、穴の開いたようにみえて、そのダイヤモンドの評価は下がります。

3.　ダイヤモンドの面に水滴を乗せると、ポコッと盛り上がります。
　クォーツやガラスは、ベチャッと平たくなります。これは、水の分子の水素が、酸素と仲良しで、すぐに水素が酸素と引っ付きたくなるため、二酸化ケイ素を含む水晶、ガラスなどは、水滴が盛り上がらず広がります。
また、硬度が８以上の硬い宝石は、結晶構造が規則正しく密なため、だいたいの宝石は盛り上がります。これ、簡単な鑑別の方法として使えますよね！

4.　ダイヤモンドが黄色く見えるのは？
　ダイヤモンドは、無色透明のものが評価が高く、鑑定書の表示では、ダイヤモンドの頭文字をとって、DからEFGH〜とアルファベット順に少しずつ黄色くなって、評価が下がります。ということは、無色（カラーレス）の方が、希少価値が高いということです。
　黄色いダイヤモンドがなぜ多いかというと、ダイヤモンドの原子の構造に原因があります。
　ダイヤモンドは炭素（C）で出来ていますが、その中に窒素原子が散らばっています。炭素原子には、電子の手が４つあって、窒素原子には、電子の手が５つあります。原子どうしは、手をつなぎ合うのですが、窒素原子の電子の手が一本余ってしまいます。この一本が、石の中に入ってきた光の中から青色を捕まえます。白色光から青がなくなると、黄色に見えるのです。
　これは、補色の説明をしないとわかりにくいかもしれませんが、簡単に説明すると、白色は、虹色の７色が混ざり合ってます。画用紙を丸く切って、中心から虹の７色を分けて絵の具で塗って、くるくる回すと白色になります。黄色いダイヤモンドは、このうちの青が抜けた状態で、くるくる回すと、黄色になり、これと同じ原理です。このように、虹色の７色のうちの吸収された色の残りで出る色が補色です。窒素は、いつも手が余ってますので、なかなか、無色のダイヤモンドが採れないことがわかりますよね！

5.　ダイヤモンドは、地球上で一番硬い物質！では、どのぐらい硬いのでしょう？
　宝石の硬度を表すのに、モース硬度という硬さを表す表示方法があります。１〜１０まであって、ダイヤモンドは、もちろんモース硬度１０です。
　１〜９までは、規則正しく硬度が上がっていって、硬度８は硬度４の倍ということになります。しかし、９〜１０の間は、硬度１の差の約１３倍あるそうです。ダイヤモンドがいかに硬いか、わかりますよね。
　でも、ダイヤモンドは、劈開という性質があって、ある一定方向に割れやすい性質があります。硬度と靱性は違うんですよね！